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審美的治療(自由診療)

審美歯科とは何か?

日本歯科審美学会では、「歯科審美学とは、顎口腔系における形態美・色彩美・機能美の調和を図り、人々の幸福に貢献する歯科医療のための教育および学習に関する学問体系である」と定義されております。

要するに、見た目を考えて良い材料を使用した歯科治療ということです。
残念ですが、保険診療の範囲内では行えません

審美歯科のデメリット

形態、色彩そして機能の調和を図るに当たり、以下のデメリットがあります。

・患者様が求める歯列との完全なる一致は困難な場合が多い。
・歯の神経を取って治療を行う事がある。
・健康な歯であっても全周に渡って削り被せる必要がある。
・形態の追及のために歯に隙間が出来たり、間隔が狭すぎたりする事があり、これを目立たない場所でコントロールしなければならない場合がある。その場所は明らかに審美的ではない。
・歯の色によっては完全なる色彩の一致は困難であり、不可能な場合もある。
・顎の大きさを無視した歯の形態的な修正は不可能な場合がある。
・抜歯を必要とする事がある。
・歯茎の手術が必要になる場合がある。
・粘膜の移植手術が必要になる場合がある。
・インプラント埋め込み後からの治療は患者様の希望の歯列はに沿う事が困難になる。

当院で考える審美歯科とは?

歯科審美治療とは、単に口の中だけに着眼した学問ではありません。

歯科医院のホームページで口腔内の施術前後の写真を散見いたします。
特に審美歯科においては顕著にこの傾向が強く感じられます。
しかし歯科審美学とは顎口腔系における、つまりは個人の特徴に合わせたお顔とのバランスも加味した治療である事を患者様にも認識して頂きたいと思います。

単にお口の中だけの写真や材料の説明だけを記載した審美歯科は、単なる材料の説明に過ぎません。
材料の説明も重要ですが、セラミックやジルコニアであれば、そこまでの差が各メーカーにおいてあるとは思えません。

  ノーベルプロセラの天然歯への適用

重要なことは、いかに口もとをお顔との調和が取れた状態にもっていくかが問題であり、これをいかに自然な状態にしていくか(患者様に満足して頂ける自然観を提供できるか)が本当の意味での審美歯科であると考えます。

人々の幸福に貢献する歯科医療ができるか否かはわかりませんが、この理念は重要なことです。
構造的・機能的問題を解消してストレスのない食生活を末永く営んで頂けるようにすることは、審美歯科領域においても最も重要な課題であると考えます。

どんなに綺麗なお口の中を作り上げたとしても、歯がしみて痛かったり、歯の神経が無いはずなのに歯がしみたりするような状態では、機能的な観点では満足して頂けませんし、満足のいく食生活はできません。
これは明らかに口の中の診査不足であり、歯周病のコントロール不足と考えられます。
審美歯科は、自費診療になります。
十分な口の中の精密検査と歯肉炎・歯周炎のコントロールから始めることが推奨されております。
理想論でも構いません。
患者様にどのような状態にしたいのかをしっかりとお話して頂き、十分にご相談した上で、そのためのリスクをお話させて頂いてから行う治療が審美歯科治療であると考えます。

当院で使用する審美歯科材料

当院のコンセプトは
『自分に治療を行う場合、何を使用してもらいたいか?
現状で考えられる最も良い材料は何なのか?を常に探求し、それを患者様に提供していくこと』です。
当院では、ノーベルバイオケア社のノーベルプロセラを使用します。

歯科医院では頻繁にある話

歯を削ったあとで、

先生 「はい。次回、銀歯が入ります。」
患者様 「えっ!下の奥歯で見えてしまうから、白くないと嫌です。」
先生 「はー、そうですか?自費診療であれば、白い歯を入れられますよ(急に笑顔)。」
患者様 「保険だと無理ですか?」
先生 「奥の方の歯は、白いかぶせ物が保険診療では出来ないです。」
患者様 「では白い歯でお願いします。」
先生 「うちは審美歯科に力を入れておりますので、綺麗なものが入りますよ。次回、十数万円お支払いください。」
患者様 「・・・はい。」

このような場合に、ご丁寧に星まで付いている綺麗なメニュー本のようなものを持って来て、患者様に選んでいただく歯科医院も多いようです。
個室で、しかも先生と二人きり、最悪な場合は助手までいる状態の中、星などつけられた本を見せられたら、専門知識が大量にあるわけではない患者様は、どうせ自費診療で高いのだから、星が多く付いた高い材料の方が良いのではという心理になります。
当然、患者様が高い方を選択すれば、先生はそれを絶対に否定しないでしょう。
これは、断じて審美歯科ではありません。

ノーベルプロセラ クラウンアルミナ

 
 
 
 
 

偉大な先人のお話

1960年代からメタルセラミッククラウン(メタボン)が登場し、良く治療の際に患者様から何十年も使用していて頑丈であることを自慢されることがあります。
治療された歯は悪くはないのですが、他に問題が生じてしまい、やむを得ずメタボンを除去することがあります。
除去した後に、思わず「上手い先生に治療して頂いたのですね。どこで治療したのですか?」と聞いてしまう程の先生方がおります。
その大部分は昔から実家の近くにあった歯科医院で、ホームページで調べても見つかりません。
現在の歯科治療は著しく材料だけが急激に進化しております
根本的な治療方法に関しては、あまり変化がありません。
金属と歯を接着させる歯科材料も昔と現在では雲泥の差があります。 にもかかわらず、何十年の歳月を経ても尚、しっかりとむし歯にもならずに残っている。相当な卓越した技術を要していた訳です。
材料に頼ってしまう今日この頃の私は、爪の垢でも煎じて飲ませて頂きたいと思ってしまいます。


ノーベルプロセラが用いる高精度の削り出しユニット

何でもかんでも自費診療?

保険診療の基本は噛めることを主体とした治療になりますので、材料にも制限が出てきます。
保険診療で歯を削った後に、同じ歯を直ぐに削りなおして自費診療に変更することは、歯の寿命を考えても良い選択とは思えません。確実に歯の寿命は短くなります

写真は全てノーベルバイオケア社より提供